「規制緩和と痛み」
| 1. | 規制緩和で才覚のある大金持ちが増える一方、最低所得層は今までより広がるでしょう。普通のサラリーマンにとっては所得増は期待薄で、下がるかもしれません。倒産、失業も増えるでしょう。 |
| 2. | 一方、国のなすべきことは規制緩和を一層すすめて、個人が義理つきあいを減らせば、低収入でも暮らしていけるような環境を作ることです。失業者が即「食い詰め」、「生きる望みを失う」のではなく、切りつめれば生きていける社会を作ることが急務です。なお、それも不可能な弱者には「安全ネット」を用意しなければなりません。「安全ネット」は国民国家の最大の役割です。これを維持するためには「入国管理法」の規制はやめられないでしょう(図)。 |
| 3. | 私たちの心構えとしては、まず失敗、失業、転職、収入減をおそれてはならないと思います。好況を伝えられる米エレクトロニクス業界でも減益、リストラのニュースが多いのにおどろきます。離職者たちは生活を切りつめてまた次のチャンスに挑戦するのでしょう。日本の現状を表す「Nurumayu(ぬるま湯)」という英語があるそうです。そこから飛び出す勇気がなかったらとてもベンチャー創業はできません。収入が半減するとたいていの人は生活できないと思うでしょう。しかし、派遣添乗員、非常勤講師、プロスポーツの下積み、外国人留学生など単純労働でない仕事に携わる人たちは、企業サラリーマンに比べれば格段に低い収入でがんばっています[2]。「給与が低すぎる」という理由で再就職をためらう中高年の話を聞くと心もとなく思います。 |
| 4. | 企業では量の拡大だけの経営が行き詰まることは確実です。物を作らずにどうやって3%程度の成長を実現するのか。それが日本の、そしてプリント板業界の最大の課題です。そのイメージはまだはっきりしませんが、開発、設計、品質、サービス、メンテナンスが大きなキーになることは確かでしょう。これらについて次回以降考えてみたいと思います。 |
| [1] | 「いのちの電話」は自殺防止を目的にした電話相談(日経98.7.20)。また「過労死110番」の電話相談では遺書に「私の能力が足りなかった」と残すサラリーマンが多いということです(日経98.7.25)。 |
| [2] | 国内旅行の添乗員は年収は経験5-10年でも300万円そこそこ、新人では200万円以下。それでも添乗員になりたいと希望する女性が多いそうです(日経98.7.27)。 |
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