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JPCA NEWS 2004.7 JPCA Home / Back / Menu / 前号 / 次号 経産省、新産業の7本柱 |
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今年のJPCA総会のパーティで紹介された経産省の「新産業創造戦略」を読みました[1]。これはマクロ資料を机上でまとめたものではなく、精力的に足で集めた情報を元に「まずミクロから」の視点で書いた力作です。全160ページ、読むには根気が要りますが、国の将来に対する熱い思いも伝わってきます。 報告書のねらいは、日本が直面する課題を克服し、食っていくためにはどんな産業を創生していくべきかのシナリオを示すことであり、経産省はこれを産業施策に反映させようとしています。以下、そのストーリーを筆者なりの理解で紹介します。最後に、報告作成にあたって担当者が各界700人もの人たちから聞き取ったコメントのいくつかも紹介します。 報告ではまず、日本が直面する課題として次の3つを挙げます(表現は筆者)。
1. グローバル競争に勝ち抜く強靭な産業の創出 課題はどれも大きいが、日本の強みを活かし課題をチャンスに変えていけば、これら課題の「同時解決」も可能としています。
第1の「国際競争力ある先端的産業」で、日本には次の強み、チャンスがある。
これらの強みを活かし、日本経済の将来を支える戦略分野として創出をはかるべき先端産業群に次の4つを選んでいます。
第2の「社会的ニーズに対応するサービス産業」における日本の強み、チャンスとして、 を強み、チャンスとし、「地域再生を担う産業群」を創生すべきとしています。ただし、本報告には種々の試みや成功事例は紹介されていますが、経産省として育成を図るという産業分野は示されていません。 経済産業省としては上記(1) 〜(7) の産業群を、日本経済の将来を支える戦略分野、ニーズが強く潜在需要が掘り起こせる分野、そして川上から川下、大企業から中小企業、大都市から地方まで広がりのある産業群として重点的に育成していく、としています。 いわば日本の将来を託する新産業の7本柱です。報告ではこれら7分野について、定性的な方向を示すだけでなく、将来(2010年ごろを目標)の具体的市場規模の「展望」を示し、これを実現するために必要な方策(アクションプラン)を挙げています。それを表にまとめました。 |
| 「新産業創造戦略」で取り上げる産業群とその市場規模(展望) |
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上記の戦略7分野は単体の市場拡大だけでなく、裾野産業への波及効果も大きく、2010年には約300兆円(現在の製造業全体の規模)に成長すると予測されています。数字を見て気づくのは、「市場ニーズに対応する新産業分野」の規模が「先端的な新産業分野」に比べて圧倒的に大きいこと(2010年で、7:1)。雇用規模も「市場ニーズ対応産業」で大きく、2010年までに400万人も増えると見込まれています。いずれも内需型産業です。しかし日本は原材料のほとんど、食糧の6割を輸入に頼っています。落語の「花見酒」のように仲間同士でお金をやり取りしているだけでは経済は回っていきません。これまでは、少数の国際競争力ある自動車や材料、電子部品など「高度部材産業」が輸入に必要なお金を稼いできました。その役割を、(1) 燃料電池、(2) 情報家電、(3) ロボット、(4) コンテンツに全部担わせるのはいささか荷が重過ぎないか。これまで日本を支えてきた製造業にもがんばってもらわないと達成はむつかしいでしょう。先端産業群の中では規模的に情報家電への期待が最も大きくなっています。その中でプリント板産業の占めるポジションはどうなるでしょうか。「先端的な新産業分野」の一翼を担うのか、それとも上記「ビジネス支援サービス」の一部となっていくのか。 以下は、日本の製造業の強みについての報告書と業界コメントからの抜書きです。 「日本には世界的にみても希有な「高度部材産業集積」がある。今やいわば世界の工場となった東アジア製造業は、日本の高度な部品・材料産業集積を核に集積を形成しているといっても過言でない。我が国がこうした高度部品・材料産業集積を形成していることが、ものづくりに不可欠な要素技術(精密微細加工や特殊素材合成など)のネットワーク化を通じた現場レベルでの迅速かつ高度な擦り合わせを可能としている。 川下(最終製品)、川中(材料・部品・装置)、川上(素材、原材料)の分厚い産業集積に育まれた擦り合わせのネットワークが新技術の素地となり、次代のイノベーションに向けた擦り合わせが次々に起こる。この「摺り合せの連鎖」が日本の企業に新たな市場への高い対応力の維持を可能とさせる。将来の技術革新にとって素地となる重要な技術を国内に蓄積し、日本産業全体で集積の優位を互いに活用し合って持続的に繁栄していくためには、バランスのとれた形で川上、川中、川下の各段階にプレイヤーが存在し、競争力を確保していくことが何よりも大切である。」 「液晶TVは典型的な擦り合わせ産業。これに用いるフィルムは有機溶剤のコーティングで製造するためムラとの戦い・・・使えるかどうかはセットとの組合せで、フィルムメーカーとセットメーカーの担当者が目合わせと称する打合せで決める。デジタル家電といいながら、極めてアナログな微調整を要する世界・・・微妙な調整に必要な「ムラっぽい」という日本語は、今や韓国、台湾メーカーでも通用する。」(フィルムメーカー)」 「電子材料メーカーは、日系半導体メーカーが世界的に競争力のあった 80 年代にその要求に徹底的に応じていく中で鍛えられたお陰で、高い技術力、強い競争力を有している。材料製造のノウハウはいわば秘伝のレシピともいうべきもの・・・」(材料メーカー) 「ユーザー毎に求めるスペックが少しずつ異なるため、ウエハー製造にあたっては高度な擦り合わせが必要。シリコン純度 99.9999・・・%という数字は本質ではない。問題は不純物の混じり方。その混じり方が一つのスペックであり、9が8桁並ぶような高純度であるからこそ、そこから先は科学的な計測や理論を超えた擦り合わせになる。」(シリコンウエハーメーカー) 「擦り合わせは、A社の○○部門とB社の××部門というレベルでやっているうちは何も生まれない。そのうちA社のCさんとB社のDさんが、△△開発のCさんとDさんという形で会社の立場を離れた特別なチームとして一体感を持つほどとことん属人的に付き合って、初めてイノベーションが生まれる・・・」(部品メーカー) 「80 年代、国内の半導体メーカーに鍛えてもらって技術を蓄えた。90 年代海外の半導体メーカーとの取引が拡大した。しかし、電子調達のような形でつきあっても、取引量は増えるが技術は伸びない。クライアントとの協働(コラボレーション)をしてはじめて技術は伸びる・・・再び日本のセットメーカーとの擦り合わせによって技術を蓄積したい。」(複数の装置・材料メーカー) 「一世を風靡したEMSは、どうみても技術の蓄積ができない。結果、付加価値がとれず、常にコスト勝負に追い込まれて最終的にジリ貧・・・」(部品メーカー) |
| [1] | 「新産業創造戦略」(H16.5経済産業省) |
