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以上、拾い読みしてきて思うのは、日本の子どもは、国際テストでトップグループの成績を取りながら、総じて自信がない、学習意欲が低い、元気がないということです。それに比べて北欧やアメリカの子どもは自信が強く、楽観的です。日本の子どもに元気がないのは親の世代に元気がなく自信を失っているからでしょう。数学の能力にかなりの個人差があるのは現実。努力すれば、塾に行けば、みな同じように数学の成績が上がるわけではありません。しかし、学校の優等生だけが人生の勝者ではない、いろいろなコースがあるんだ、俺は別の方向で身を立てる、数学をパソコンと同様、ツールとして(できれば面白がって)勉強すればもっと気楽にやれるのではないでしょうか。成績は悪かったが、数学は好きという面白い友人が何人もいます。商売、スポーツや芸術、芸能の世界で成功した人にはむしろ自慢げに、子供の頃は数学が苦手だったと広言する人がいます(アインシュタインですら)。
若者がフリーター、ニートになる理由を本人の意欲、無気力で片付ける風潮に東大の玄田先生はかねてから異議を唱え、注文をつけています。[2]。
「失われた十年というが、日本人が失ったのは富よりも自信でしょう。学生を見ているとよく分かる。いまの大学生はまじめによく勉強する。資格を取ったり英語をやったり。就職が厳しいから即戦力になろうと一生懸命だ。それでも面接に落ちるから自信をなくしてニートになったりする。
会社も即戦力が欲しいなどと言わないほうがいい。強い会社は言わない・・・育てる自信があるのだ。ある会社では、派遣社員が契約期限で辞めるとき、必ず盛大な送別会を開くという。去っていく人に温かくない会社では、自分が辞めるときもこんなものか、と今いる社員もやる気を失っていく。どうせ辞めるから育てない、という姿勢は良くない・・・」
一方で、ガテン系、職人の道を目指す大卒者が増えているそうです。有名企業が倒産する時代、若者たちは、安定よりも自分の存在意義を確認できるモノ作りに価値を見いだし始めています。「サラリーマンは嫌、とりあえず職人に」と考える学生が少なくなく、フリーターやニートに近い、との見方もあるようですが、筆者は職人も悪くない。ただし、プロの職人になって欲しいと思うのです。大学全入時代が近いというのに、大卒者全員が背広にネクタイ姿でオフィスに勤務する社会などありえないからです。ある職人塾の人は「塾生は伝統文化の担い手になるというしっかりした目標をもっている」、また、ある棟梁は「職人の世界に対する意識が甘いところもあるが、大工を目指す若者が増えるのはうれしい」と話しています[3]。
これからの日本のプリント板のモノづくりも、理論、論文の紙の上だけでなく、幅広い知識を身に付けた「誇り高い」職人によって支えられると筆者は信じています。
注1 ニート(NEET)
「職に就かず、学校に所属せず、就労に向けた具体的な動きもしていない」若者。68万人いるといわれる。
注2 国際学力テスト
PISA: Programme for International Student Assessment
高校1年生 (15歳児)を対象にした国際的な学習到達度テスト(3年ごと)
TIMSS:Trends in International Mathematics and Science Study
小学4年、中学2年生(4年、8年生)を対象にした教育到達度テスト(4年ごと)
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